伝統色彩士協会のこと
先日、渋谷のTUTAYAでレンタル着物サービスが始まったのを知りました。
京都では珍しくなくなりました外国の方のレンタル着物姿ですが、渋谷のスクランブル交差点でもそのような方々が増えるのでしょうか。
ここ数年、急速に変わっていく着物業界を見ながら、消えていくもの、残るもの、進化するものなど様々でして、百貨店などを中心にお仕事をさせて頂いてきた私達も、戸惑う事が多かったように思います。
教室も10期生を無事卒業させ、今年はカリキュラム見直しの年にさせて頂いております。
伝統色彩士協会は「和のパーソナルカラー」という診断を中心に全国に講師を置き、活動させていただいております。
さて、この「和のパーソナルカラー」とは??という質問が一番最初に聞かれることでございますが、私達は着物に特化した色の診断士であることと、日本の伝統色・草木染から成り立つ色をドレープにして、似合う色を見つけていく。
この2点に特化しております。
インクジェットプリントのレンタル着物は伝統色などを使用しておりませんし素材も合繊ですので、着付けという部分を除けば、洋服感覚で着れるものでございます。
それゆえ外国人の肌にも良く映え、むしろ日本の女性よりも美しく着こなしている方も多く見かけるようになりました。
若い世代のブランドの着物も、夏の浴衣も、もはや着物という概念から少し離れてファッションとして楽しめるようになっておりそれはそれでとても良い事です。
インスタ映えもしますでしょうし、お手入れも気楽でしょう。
どんな形でも、日本の若い方に振袖以外の時期に着物を着て頂けることが重要だと思っております。
ですので、ファッション着物をきるために似合う色をお知りになりたいのであれば、和のパーソナルカラーでなく、洋のカラー診断をお受けになった方がわかりやすいかと思います。
雑誌などの着物のカラー診断も「フォー・シーズン・カラー」を中心に見る先生が多いですし、和のパーソナルカラーのように黄色人種に特化しておりませんので、外国の方の為に似合う色を見て差し上げることも可能でしょう。
また、食生活や様々な要因で、若い方の肌の色や体型は欧米化しております。
そういう意味でも、洋のパーソナルカラーのが適しております。
伝統色彩士協会の和のパーソナルカラーは、40代以降で、なおかつ黄色人種限定ですので、狭い範囲での診断になるかと・・。
協会のカリキュラムは、診断も大切でございますが、まず日本の伝統色がどう成り立つかを学んでいきます。
一つ一つの色を記号でなく、日本の言葉で深く学び、着物の組み合わせにどう生かすかを学ぶのです。
実際に草木で染めてみることも大事なカリキュラムの一つです。
そして、老舗の着物・昔のリサイクル・祖母や母のお下がり・このような着物にこそ伝統色が使われておりますので診断がお役に立つと思います。
私が監修させて頂いた高島屋様の振袖やいくつかの着物屋さんにも伝統色をもとに染めて頂いております。
最近、和のパーソナルカラーはとても良い感じであると思っています。
洋服のような着物と、昔ながらの着物とにはっきり分かれてこそ、初めて伝統色彩士協会の独自性が際立ってくるのだと。
あくまでも「日本の伝統色」にこだわるのが協会の指針でございます。
昔の道明の帯締めです。
黄色人種の私達に似合う色とは、やはり日本の風土から生まれた伝統色の中にあるのではないでしょうか。