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震災から6年

2017年3月11日 13:33  日々の暮らし 

あっという間に6年がたちました。

震災の日は銀座の鳩居堂で、十日町紬を着て、3階のギャラリーにいました。

あわてて一階に降りると、古い照明が天井から今にも落ちてきそうに揺れていて、いったん収まったらほかのビルに逃げるよう指示されました。


考えたのは娘の事のみ。


娘がどこでこの揺れに耐えているのか。学校の校舎か、外か。

けがはないか、パニックになっていないか。


親はいざとなると子供の事しか頭に浮かばない。

子供さえ無事なら。自分は何とでもなる。



うちの主人が「春風社」という学術出版社の代表取締役をやっていて、この本を書きました。先生良かったら読んでくださいと、講師から一冊の本を頂きました。


「石巻片影」


片手に携帯を持ち、何かに向かって一生懸命進む少女の姿。

とても強く惹かれる写真・・・。


白い道というタイトルの中に、娘を失った母が書いた手紙の写真がありました。

この手紙を読んだらお返事ください。夢でまっているから・・・と。



子供を失った母、母を失った子供。どちらの悲しみも癒える日などあるのだろうか。


震災の悲しみだけでなく、生きようとする人たちの笑顔と何気ない日常。

その写真に様々な側面を見せてくれる文章が、とても素晴らしい一冊です。


今は本が売れない時代と言われています。

きものもそうですが、消費低下による厳しい時代をどう乗り越えていくのか。


良いものを、じっくり大切に出版して、それを本当に欲しいと思う人に読んでもらう。

きれいごとではいかない部分もあるでしょうが、これからの出版の考え方として、私達の業界にも参考になります。


「春風社」の本はアマゾンで買えます。

もしご興味があれば見てください。






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