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江戸の伝統色

2018年3月18日 23:06  草花の色 

着付けはいつでも楽しく面白いものです。


叔母からのお下がりは、若いときの仕立ては細め、晩年は太めと、サイズがかなり違っております。

この更紗も身幅が大きく着用が億劫でしたが、ちょっと工夫をいたしますと大きなサイズでもすっきりと着ることが出来、やはり着物は融通のきくものであると感心致します。


更紗に合わせました帯は結城の八寸名古屋帯。

帯揚げは京都の三浦さんで染めていただいたもの。

帯締めは銀座灯屋さんの丸ぐけ。

微妙にトーンを統一してあり、灰味がかかった伝統色で構成しております。


色的には京都でなく江戸の色になります。



先日の茶花の「紺侘助」も赤味にわずかに青みが入っているようでしたので、蘇芳に近い私の好きな色でございました。


今日は20代の若い方からしきたりについていくつかの質問がございました。


私も若い時分は日本のしきたりやルールにとらわれない着物スタイルを好みましたが、今ではすっかり考えも変わってしまいました。

しきたりやルールがあるからこそ、伝統文化は奥深く楽しいのだと思えるようになったのでございます。


SNSが世論の中心となり、沢山の情報が飛び交い、正しいことも正しくないことも嘘も誠もごちゃまぜの世の中に、更にルールやしきたりを打破する生き方で自由になることは、はたして大人の女性として美しいのだろうか?と思い始めました。


もちろん今の私の考えは50歳になってからの事であり、お若い方は沢山の可能性に挑戦するべき時期が必要で、それを経て初めて己の考えがまとまってくるのだと思っております。


実際50歳を過ぎても知らずに失礼なことをしてしまったり、常識を欠くような振る舞いをしてしまったりと、人間としてまったく成熟できていない自分に落胆することが多いのですが、反省も勉強なりと前向きにとらえて落ち込まぬように日々暮らしております。


40代も半ばを過ぎたころでした。

今は亡き木村孝先生と高島屋様のお仕事でご一緒いたしまして、これからの仕事との向き合い方についてご助言頂く機会がございました。

お言葉はその時は深く考えることもございませんでしたが、日がたつにつれ、重くずっしりと私の心に鎮座するようになりました。


自分の思った通りに人生を進むことは困難であり、それが正しいと確信することも困難でありますが、答えは未来にあるのではなく、同じように悩み進んでこられた先輩方の生き方にあると思っております。





 


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