藍の深さと志村ふくみの袱紗
先日予約した志村ふくみ先生の袱紗を引き取りに日本橋の壷中居へ伺いました。
「藍色は日本人を最も美しく見せる色です」
藍をとても大切にしている先生のお言葉です。
先生にとって藍は、色の世界観や宇宙観の基準なのだそうです。
藍の深い色は永遠に沈んでいくようにも思えてとても神秘的です。
この袱紗は壷中居さんでアクリルの額にいれて頂き、リビングの一番目につく場所に飾っています。
壷中居さんは日本橋にある古美術と陶芸のギャラリーです。
青山二郎、小林秀雄がたむろし、
白洲正子がここでお二人から骨董の目利きとして育て上げられたことで有名です。
私には縁のない場所かと思っていましたが、応接室でお茶菓子までいただきまして、
志村先生の大変貴重なお話を伺うことが出来ました。
また貴重な作品を提供された佐久間幸子様と壷中居さんからのお手紙で、熊本の文化財復興支援金として
今回の売上から350万円の寄付がなされたとご報告がありました。
あの方のような素敵な女性になるには、普通のことを普通にしていては到底無理なのだと・・・・
今の自分の浅い毎日の繰り返しに、ちょっと落ち込んでしまいました。
自分が中心の世界でなく、世の中にたまたま自分が存在するのだという意識を常にもちたいと思っています。
人生はあっという間に過ぎます。
一日をなんとなく過ごすのではなく、いつも何かに向かって進む姿でありたい。
藍甕を覗いたときの底の見えない深さの先に、きっと納得できる自分があるのだろうと信じて。