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幻の黄八丈を大切に着てくださる方の手元へ

2016年11月20日 14:37  イベント

12月25日のクリスマスきもの感謝祭は「きものおたすけくらぶ」×「吉田雪乃」の驚愕なお得イベントです


私の草木染の先生は、釣りに行った先の船の中で心筋梗塞を起こして亡くなってしまいました。


引き染めを指導してくれた先生は100歳を超え、脳梗塞で倒れてしまい、工房は閉じました。


高島屋や千總などのお仕事でご一緒することもあった木村孝先生もお亡くなりになり、昨晩は忍ぶ会に出席してまいりました。

志村ふくみ先生もご高齢ですので、お体がとても心配です。どうかご無理をなさらず、

いつまでもお元気でいてほしいと切に願っています。


きもの文化を支えてきた職人の方々や先生方がいなくなってしまったら、残された私たちは今後どうやって歩んで行けばよいのだろう。


そんなことを日々考えるようになりました。

とにかく、今あるものだけでもしっかりと残したい。そう思っています。


さて、今回の12月25日のイベントの内容を少しご紹介いたします。



八丈の染屋はたぶん現在1軒のみと聞いています。

私はまだ八丈に染屋が3軒あった時、立松和平さんが取材をした本で伊勢崎氏を知りました。

「染と織と祈り」というその本の中には、染師や織り手の生活の厳しさが書かれています。


時には涙が出るような文章ですが、現実を知ることで着物をどれだけ大切に着ていかなければならないかがわかります。



伊勢崎さんはのんびりとした雰囲気の方だそうですが、体は敏捷に動き身のこなしに無駄がないそうです。


染料の栽培から染色までの一貫した作業をおひとりでやられていました。


黄八丈の染料は、八丈島に自生する苅安ですが、これは別名コブナグサと言います。

一日一回しか染められず、冬は二十回繰り返してやっと黄金の色になります。

染色は重ねれば重ねるほど深く美しく染まります。

その作業が染色をする私も一番悩ましいところです。どうしても数回で終わらせようとしてしまうのです。

染色は根気が勝負です。粘り強さがなければ続けられません。


そして、その美しい糸を織る織り手は、伝統の長井紬の長岡正幸氏です。

http://nakata.net/rnp/area/18505/

長井紬は江戸時代に米沢藩主となった上杉鷹山の奨励と共に発展し二百年あまりの歴史があります。


数々の賞を受賞されている織の伝統工芸士の長岡正幸氏が染の伝統工芸士の伊勢崎明俊氏の糸を織るという、幻の黄八丈です。


もう二度と見ることができないであろうこの作品を手にしたとき、私の中で様々な思いがよぎり、しばらく呆然としました。

なぜなら、伊勢崎明俊氏は立松和平さんの本が出てからしばらくしてお亡くなりになってしまったのです。


伊勢崎さんの八丈での暮らし、苅安の畑、椿の灰の媒染、何十回も染められた窯、それが目の前に凝縮されたように思いました。

この着物はほとんど着用されることはなく、またサイズは小さめですが上げが入っているので、仕立て直しで十分着用出来ます。

これから様々なきものをイベントで出していきます。

しばらくこのブログでのアップを楽しみにしていてください。


今回はこのお着物の料金は頂きません。

(帯も出品しますが、帯は格安にてお譲りする予定です)譲り受けたキモノ愛好家の方の箪笥の中に長期保存されていたので、できれば洗い張りをしてご自分のサイズに仕立て直しをしていただきたいからです。


そうすることで糸の輝きが違ってきます。そしてなにより、この着物を本当に大切にして下くださる方にお渡ししたいのです。


きものおたすけくらぶの富田社長と相談しまして、

洗い張り、仕立て、ガード加工表裏、までお付けして、通常¥42750(税別)という金額をクリスマス特別サービスで¥27500(税別)まで頑張ってもらいました。

しかも、薄物の黄八丈です。


黄八丈にありがちな黄色のいろより、黒八丈のグレイッシュな色味が強く現代的でどんな帯にも合わせやすいのです。

軽く、薄く、涼しく、これほどの夏のおしゃれはないのではないでしょうか?



12月25日

クリスマス大感謝祭 

渋谷FORUM8渋谷道玄坂507号

渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗ビル

渋谷駅「道玄坂上方面口」(マークシティ4階)徒歩1分

会場が北とぴあから変更になりました。

ご注意ください。


なお、今回は、きものパーソナルテーラー&デザインニングの上原による採寸ご相談と、和のパーソナルカラーリスト診断士によるあなただけのスペシャルオーダーご相談会も開催いたします(人数限定)各診断¥2000


上原つね子 

きものをマイサイズに採寸し、また体に沿った特別な仕立てにおいてのプロフェッショナリスト。優れたデザイン力で、着れなくなったきものを羽織やコートなどへ仕立て直す。柄を最大限に活かしてのデザインは彼女にしかできない職人技。


和のパーソナルカラーリスト  

伝統色彩士協会での伝統色彩士の資格を持つ色のプロフェッショナル。その人に一番似合う色を診断し、顔写りの良いきものの色や柄をアドバイスする。


本当に着物がすきな方々へのクリスマスプレゼントの意味を込めて、年に一回のイベントとなります。

当日は簡単なお飲みものなどもご用意しておりますので、ぜひお気軽に遊びに来てください。


またかなり混雑が予想されるため、整理券を発行いたします。

また一人でも多くの方にきものが行き渡るよう、あまりまとめてのお求めはご遠慮くださいませ。

業者様のお買い上げは大変申し訳ございませんがお控えくださいますようよろしくお願い申し上げます。



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