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新しい成人式に向けて

2018年6月13日 11:15  

「18歳成人」法案が成立致しました。



伝統色彩士協会では、ここ数年成人式に関わるお仕事が多く、私個人としては、振袖の色柄監修、振袖美人などの本や、カタログ、また振袖に特化したカラー診断なども、京都・大坂・名古屋・横浜・日本橋と各地で行い沢山のお嬢さまとご家族の方々のご相談にのってまいりました。


もともと成人式は戦後の日本の若者に、明るく前向きな気持ちを持ってもらうようにと埼玉蕨市で行われた儀式が最初といわれております。


祖母の時代には成人式などはなく、女学校卒業時に袴と三つ紋の着物姿が一番の晴れ姿だったと聞いております。

戦後の日本の発展と共に成人式も年々派手になり、ここ最近ではコスプレのように着飾る子供達も多くみられ、なんとも理解しがたい状況であり、できれば本来の姿に戻ってほしいと願ってまいりました。


元々は、元服の儀からの流れが成人式に繋がっているのですから、その当時の元服年齢が15歳前後ですので、成人年齢が18歳に引き下げられること自体は良い事と思っております。

様々な問題もございますが、高校卒業式・大学入学式・成人式が重なってしまうことで、今までのように成人式というセレモニーに時間もお金も費やせないのでは?という業界の危惧も大きいかと思います。

ですがこれは特に問題ではないと私は思っております。

成人式だけが特別なお祭りみたいなものになっている現在より、卒業・入学という厳粛な儀式の流れに組み込まれて行った方が、少し落ち着いたものになっていくのではと考えています。


それに向け、今までの振袖という概念を少し変えていかなければなりません。

現在は前撮りというのも定着しており、後撮りというのもございます。

都合のよい時期と日程を選んで写真に残せる時代ですので、受験が終わった後でも、高校卒業してすぐでも、落ち着いている時期をお選びいただければよいと思います。

もちろん大学に入学後でも構わないと思っております。

20歳成人が長かったからこそ、18歳~20歳までの間に行えばよいのではとも思っております。


ところで七五三、十三参りなどは、公民館などでお式は致しません。地元の神社にて各ご家庭でご祈祷していただくものです。

成人式もそのような選択もあって良いのではないでしょうか?

これからの子供達が悩み進んでいく人生を、見守っていただけるよう神主様にご祈祷頂ければ十分かと。



私の娘は今年成人式でしたが、インフルエンザが流行らない昨年のうちに前撮りを済ませ、当日は明治神宮にて行いました。

無事に育ったこと、また育ててもらったと、家族がそれぞれの思いでお祝いの一日を過ごすことが良いことで、その家に合った様々な形でお祝いすればよいと思います。


これからも七五三・十三参り・振袖・ブライダルと着物に関わるセレモニーは続いていますまいりますが、日本女性の美しさとは何か?という原点に帰って、衣装だけでなく、日本の女性として何を身に着けておかなければならないのか、内面にもっと深く問いかけてほしいと思っております。


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