萩重のコーディネート
秋の重ねの色目である「萩重」は紫の濃淡で表現いたします。
表を紫・裏を二藍(紅花染に藍をかけた紫)としていますが、裏に薄紫をもってくれば春の重ねで「菫」。
表が薄紫・裏が濃紫の場合はやはり春の重ね「白藤」。表裏同じ色でしたら秋の重ねの「藤袴」となります。
着物に重ねの色目を使います時は、表や裏のことをあまり深く考えずに、色の相性として取り入れております。
この日は着物は青みを含んだ紫で、帯は紅花の色がわずかに残る薄い赤紫のように見立て「萩重」といたしました。
紫と相性が良い色に黄色がございます。
冬の重ねの色目で「移菊」となります。
紫は合わせます色に悩む方も多いと思いますので帯締めや帯揚げなど小さな部分で黄色を取り入れてみてくださいませ。
江戸時代の庶民は安価で染められる藍を日常着にしておりましたので、紺屋という商売が大変繁盛して今のクリーニング屋さんのようにあちこちにあり、簡単に染め替えることが出来ました。
その反面度々繰り返される奢侈禁止令により、美しい紫や紅など高価な染料の着物は庶民から遠のいてしまい、華やかな色の時代ではなくなってしまいました。
私は江戸時代の四十八茶百鼠も粋で格好良く好きですが、華やかできらびやかな源氏物語の色の世界をとても美しいと思っております。
さて、突然ではございますが、また腰痛がひどくなりまして、この一週間大変でございました。
理由はあきらかで、毎年夏になりますと暑さに負けてどうしても洋服を着ることが多くなり、身長が低い私はつい、ヒールのあるサンダルなどを履きまして気分良く過ごすのですが、夏が終わるころには整形外科の先生に泣きつくという事を何度も繰り返しております(若干学習能力が低いように思われます・・汗)
そして秋になり、また帯をコルセット代わりにきつく締め、低い草履で仕事をしだしますとケロッと良くなるのでございます。
その時に大事なものが、京都ゑり正さんの幅広伊達締めでございます。
これは通常の伊達締めよりかなり幅広で、前に芯が入っております。
ゑり正さんにしか置いていない商品で、いつもあるわけではなく、あるときに買っておかなければまたいつ手に入るかわからないものです。
これを付けると付けないとでは、姿勢が変わってまいりますし、腰も楽になります。
普段着は紐一本で緩く着ておりますが、きちんと着るときはこの伊達締めだけは必要でございます。
ポリエステル・博多・正絹りんだしと3種類あります。
全部使ってみましたが、正絹のりんだしが一番具合が良かったように思います。
ぎっくり腰の時は一日中、寝るときも締めています。
昨日のお茶の稽古では、久しぶりに炭点前と茶花を活けました。
先生が「花長」でいつも季節ごとの花をご用意して下さり、稽古のたびに活けさせて頂けますのは贅沢な事と思っております。
段菊・虎の尾の照葉・菊アザミ・紫錦唐松・吾亦紅の5種でございました。
ここ最近立て続けに起こる自然災害の事、皆さん大変な思いですごされていらしゃるかと思います。
小さなお子さん達の心の内をおもいますと、どんな気持ちであろうかと。
旭山動物園は7日朝から営業を再開して、旅行者や子供たちの心が少しでも落ち着くようにと頑張っていらっしゃるとのこと。
心のケアが一番大変です。
一日も早い復旧と、亡くなられました方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。