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単衣~爪搔き本綴れ帯と「紋彩苑」種田

2018年9月12日 17:17  

単衣の時期は、暑い日もあり、涼しい日もあり、気温が安定致しません。

それゆえ、着物のルールなども皆さん悩むことと思います。

初旬であれば夏物でもよろしいですし、今年のように急に涼しくなるようでしたら単衣も快適かと思われます。


私は1日から単衣で過ごしております。

あまりの猛暑に着物を着る力も出ず雨続きの天候につい億劫になってしまっていましたので、9月から気を取り直してしっかり着物と向き合おうという気持ちでございました。


どんな時も着物一筋でという、芯の強さが欠乏しておりますところが私らしいと呆れております。



単衣の時期に一番便利なのは綴れの帯でございます。

7月8月を除く3シーズン締められますし、袋名古屋帯ですがきれい目なカジュアルからフォーマルまで対応が可能でございます。

重みのある柄ですと、叙勲の拝謁式で色紋付に合わせて締める事もできますので、格の高い帯でございます。


こちらは名匠・加藤宗玄の爪掻き本綴れ帯。

爪掻き本綴れ帯は完全な手仕事で織りあげるものでございまして1本織りあげますのに3ヶ月ほどかかるのだそうです。

現在爪掻き本綴れの帯を織られるかたはとても少ないと伺っております。


沢山の帯の中で、この帯ほどお太鼓が美しく決まる帯は他にありません。

締め終わりました背中を鏡で見て、すっきりと緩みなく薄く仕上がったお太鼓の形に毎回「わ~!!」と感嘆の声をあげてしまうほどです。

しかし、帯といえどそれぞれに性格があり、締めやすいもの、締めにくいもの、一回で決まるもの、決まらないもの。

着物と合わせやすいもの、帯単体は良いのに合わせにくいもの。

色々ありましてどれも愛着があり、結局手放せなく実家に送ってはまた戻すという繰り返しでございます。



昨年まで、帯締めは江戸好みでスッキリとした色あいと、細めのものが好きでしたが、夏の伊勢丹での講演の際に買い求めた京都種田さんの「紋彩苑」の太めの帯締めがとても気に入り、大人買いで色違い3本まとめて購入いたしました。

やや幅広の帯締めは、帯をしっかりとホールドいたしますし、お腹周りを逆にすっきりとさせるような気がいたします。

最近ボリュームの出始めたお腹周りに細めの3分紐などは心もとなく思うように・・(笑)



あまりにかわいらしい色合いのお干菓子でしたので、自分用に。

このような優しい和の色合いが大好きですが、秋はもう少しこっくりとした色を着用したいと思っております。





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