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團十郎茶色の江戸小紋・散華と伽羅の香

2018年10月10日 13:54  

着物を着ていることが多いと言っても、いつもきちんとした姿でいるわけではございません。

体調がすぐれないときや、仕事で疲れが抜けないときなどは、やはり帯がない方が楽であり、快適でもあります。

ここ最近、いくつかの新規の契約に追われただひたすら仕事に没頭しておりましたことと、大嫌いな歯医者通いでかなりストレスをためておりましたので、午前中明治神宮までお散歩を致しました。


 明治神宮までは歩くと40分ぐらいかかります。

ウォーキングとしては丁度良い距離ですが、往復ですと疲れますので、帰りはバスに乗ることもあります。




團十郎茶色の万筋江戸小紋を普段着用に二部式に仕立てたものでございます。

團十郎茶は伝統色彩士協会のクラスでもよく話に出てくる色の名前です。

歌舞伎役者の5世市川團十郎(1741~1806)が歌舞伎の十八番「暫」の主人公・鎌倉権五郎を演じた際に着用した素襖の柿色が色名の由来でございまして当時大流行いたしまた。

現在でも市川家一門は襲名披露の口上でこの色の裃を着用しております。

似たような色に柿渋色、雀色などがございますが、いずれも赤みがあるか、灰が入っているかなどで判断いたします。


腕に巻いているのは蓮の種。

友人から頂きました。

発展や集中力の強化・招福の効力があるそうです。



お茶の有吉先生が興福寺中金堂再建落慶法要茶会に出席されましたので、散華とお香を分けていただきました。


献茶を隨縁斎宗匠。

濃茶の席主は藤田美術館さんというお話をうかがっておりましたので、ご招待された先生が今回ばかりは羨ましくて仕方ありませんでした。


今回の茶会の主菓子は樫舎さんです。

5日間の法要に合わせて仏教の五色に準へ、毎日色と材料を変えるという事でしたのでそれもとても気になっておりました。インスタなどで拝見いたしましたが、最終日は紫でございました。


奈良といえば樫舎さんというほど、海外からも評価の高い和菓子店ですが、私はまだ和菓子フルコースを頂いておりません。昨年も予約を忘れ、満席で入れず・・・。

次回こそはと思っております。


散華は仏教を題材にした作品が多い奈良出身の日本画家・畠中光享。

昨年日本橋高島屋さんと横浜高島屋さんで「興福寺の寺宝と畠中光享展」を開催しておりました。

法相柱柱絵を10メートルの法相柱に張り付ける前のお披露目だったそうでございます。

今思えば、チケットも頂き間近で拝見できるチャンスでしたのに、行くことが出来ず大変残念でございました。


とても美しいので額に入れて飾りたいと思います。

茶会の詳しい内容は先生がブログにアップして下さっておりますのでよろしかったらご覧ください。

http://ryoumoukai.gger.jp/archives/1072565663.html





松の葉は、山田松香木店のお香でございました。

色の薄いのは白檀、濃い色は伽羅かと。

久しぶりの伽羅の香りに、この世の極楽を見た感じでございます(笑)

香とは、人をそこまで持っていける力がございます。

白檀はリラックスする作用がありますが、伽羅は恍惚となりモチベーションが上がる香りの作用がございます。

戦国武将にとって香とはなくてはならないもの。

戦いに勝つも負けるも、香によってもたらす精神的な作用が重要であったのでございます。


特別な時に大切に使わせて頂きます。





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