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樹木希林さんからのメッセージ

2018年11月6日 22:07  お茶のこと

先日ようやく「日日是好日」を見てまいりました。

エッセイの方はだいぶ以前に読んでおりますが、当時はそれほど心に残るお話ではなかったように思います。


仕事も今より忙しく、ゆったりとした時間の流れを淡々と綴るエッセイがもどかしく感じたのかも知れません。



この映画は樹木希林という女優が演じた事で、原作とは違った意味での力が働いたように思います。

映画の内容については大変美しい映像と、本当に存在しているかのような、お茶の先生らしい樹木希林の演技のうまさに大変驚きました。

そして何より一番衝撃を受けましたのは、映画の最後のシーンでございます。


画面いっぱいに希林さんの顔がアップで映し出され、顔をこちらを向け、

「のりこさん、ゆきのさん、あなたたち、教えてごらんなさいよ。教えるってことはいろいろなことを教えてもらえることよ」と言ったのです。

確かに原作にはそのセリフはございました。

ですが、ゆきのさん!という呼びかけは本にはありません。

最後の最後に、彼女が残した私へのメッセージのような気がしてしまって、しばらく体が硬直してしまいました。


私はお茶で教職を取りましたが、人に教えるという事は絶対にないだろうと心に決めておりました。

知識が浅く、人に教えるほどの人間でもありませんし、人格者でもありません。

ですが、この言葉は深く心に刺さり、どうしたものかとあれから時々悩んでおります(笑)


現在は先生のアシスタントが精いっぱいでございますが、少しづつでも人に教えるように考えを変えていくべきなのか、それはないという風に思うべきか。

長い時間をかけて考えていく課題となりました。





パンフレットを拝見して気がついたのですが、樹木希林さんの着物姿も、ほかの皆さんの着物姿も、どこか自然でゆったりとしております。


もし私が仕事で担当しましたら、宣材写真などは帯揚げの出し方もピシっと、お端折りもしわ一つなくピシッと。

半衿の出し方も一ミリのずれもなく均等に、そんな風に仕上げてしまったかもしれません。

そこには着物を着ている日常でなく、ワンシーンを切り取った美しさしかありません。

きものは着ていれば多少崩れてくるのは当たり前です。

まして、お稽古で着物を着る場合、水屋仕事も点前も、立ったり座ったりの動作が多くございますので、多少着崩れるのが自然でございます。

映画のゆったりさに合った皆さんの自然で美しい着付けに、大変感服いたしました。


着崩れない美しい着付けは素晴らしいのですが、お稽古したり生活したりする時はもっとゆったり着て良いのでは・・・・・。


とはいえ、、樹木希林さんだからこそ、空気を含んだような着姿に雰囲気があるのであって、私ではただのだらしないおばさんになってしまうかも知れません(泣)





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