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染めと織の暮らしを

2020年4月18日 14:56  日々の暮らし 



静かに暮らすことが今は大事です。

焦ることではありません。

何かやらなければ取り残されてしまう、遅れてしまう。

そんな風に思って動いても空回りをしてしまうこともあるでしょう。


動画配信もただやれば良いというレベルのものであれば出さない方が良いと友人の映画監督さんに言われており、うちはそれだけのスキルがございませんので、しばらくはやはり今まで通り、このブログのみとなります。

周りには素晴らしい技術をお持ちのお若い方が動画配信をしており、拝見させて頂くだけでじゅうぶんでございます。


先が読めないからこそ、今は静観する時だと思っております。

生き馬の目を抜くようなSNSでの多くの発信に、毎日戸惑いながらも、協力できますところはなるべく手を差し伸べてとは思っております。

テイクアウトも毎日とはいきませんが、できる限り、歩いて行ける距離のお店ならばと。



ところで、立ち止まることがそんなに不安でしょうか?

命があるのならば取り返しはつくし、生きる方向性も必ず見えてきます。

こんな時こそ静かに美しく生きて欲しいと思うのです。

毎日心を落ち着かせ丁寧に時間を使うこと、何かに気持ちを囃し立てられるのではなく、内面をしっかり見つめる良い機会と考えてください。


伝統色彩士協会では、染めと日本の伝統色が中心ですが、織も大切な学びとしております。


しかし、織は難しい。織り機は大きくて置く場所がない。

そのように思う方が多いのですが、私の愛用の織り機は2台目ですが台所のテーブルで使えるほどの大きさでございます。

1台目は新宿伊勢丹での催事で、あまりに簡単なので大勢の皆様に体験していただき、酷使しました為あちこちがガタガタしてしまいましたが、新しい2台目は元気に稼働しております。

難しい縦糸は最初から9メートル張っていただき、送ってくださいます。


織は本格的にやりますと、整経、仮筬、綜絖、本筬、機あげといくつもの工程があり、私のようなレベルの者ですと、準備にひと月は十分かかってしまいます。

ですのでいつも、織り始めるまでが織りで、実際に織る時間はそれまでの大変な準備のご褒美なのだと思っています。


そんな大変な作業をしなくとも(そういうことはプロの染織家のスピードにはかないません)織りとはどういうものなのか・・・ということを学ぶために自宅で織の時間を持つことが大事であると思っております。

面倒なことは全て新田さんがやって送ってくださいます。

手元に織り機が届けばすぐに織り始められるというもので、ご褒美の部分だけ楽しめるようになっております(笑)

9メートルの作品が織り終わったら、専用の織り機の郵送箱に入れて送れば、また糸を張って送り返してくださいます。(糸代込みで5000円です)

まあ暇な時間にちょこちょこ織るくらいですので9メートルは案外長いものです。

糸は新田さんの絹糸が2玉付いて織り機は3万円(税別)と送料です。

追加の糸も注文できます。



米沢で新田さんといえば紅花紬で一番の織元です。

糸もとても美しいものがついてまいります。


本来ならば楽するのではなく、難しい工程を学び経験してこそ織の喜びと言いたいところですが、このような世の中で、これ以上不安や辛い経験などする必要はなく、気持ちが穏やかに楽しめる事であれば、楽することも大事であると考えております。


また人と会わない、電車で移動しない趣味としては今の時代に最も適しておるように思われます。


詳しく書いた説明書も付いてきますので、どんな初心者の方でも織れるようになっております。

それでもわからなかったら私にメールくださませ。


自分で染めた糸で織ることも可能です。

麻の糸や様々な素材の糸を工夫して混ぜてオリジナルの作品も作れます。

色の組み合わせ、柄の出し方なども慣れてくれば楽しめます。



無農薬の甘夏と檸檬をいただきました。

乾燥して、毎朝紅茶に入れています。

冷凍庫に入れておけばアイスティーの時も重宝いたします。


先週までは利休梅やムスカリの花がとても綺麗でした。

私は、自分の庭の花や、美しい音楽、優しい(ここはちょと違う時もありますが)猫のまるおが側にいて静かに織りをしている時が今は一番幸せな時間です。

勿論染めの時間も楽しんでおります。


織り機は、お願いしてから手作りで製作して頂くものですので、多少お時間がかかります。

ご興味がございましたら是非。

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