皇后雅子様の鶸色に思う事
2019年5月4日 11:00
皇后雅子様のお召し物の色が「鶸色」ひわいろ であることが宮内庁から発表されました。
鶸色(ひわいろ)は鮮やかな黄色にわずかに緑が入る色でございます。
道明の色見本の真ん中にある色が鶸色あり、濁りのない透明感のある美しい色であることがお分かりいただけます。
色無地などを作られるときに、鶸色・鶸萌黄・裏葉などは、青みの方も黄みの方も両方着用出来ますので、重宝致します色でございます。
またある年代の方々が着用いたしますと、顔色が良く見え、お若い印象になります。
鶸はスズメ目アトリ科の小形の鳥で日本には十種類が生息されると言われます。
ひわどりは「枕草子」にもその名前があげられておりますので、古くから知られておりますが、平安時代には鳥にちなんだ色名がございませんので、鎌倉時代の色となります。
鶸色の緑がもう少し強くなりますと、「鶸萌黄」という色になります。
伝統色彩士協会でも、鶸色・鶸萌黄・萌黄色などの違いをお勉強しております。
皇后雅子様がこの色をお選びになられたことには、様々な思いが込められているように思います。
まず顔色が良く見え、大変溌溂とした印象を与える色であること。
鶸という鳥は一羽でいることはなく、群れを作る性質の強い鳥でございます。
皇后陛下としての決意を表されるには大変良い色であったかと思われます。