祈りの色と免疫力
染色の時はいつも祈りの気持ちで向き合っています。
たべたいものを食べる、ほしいものをかう、
行きたい場所にいく。
とくべつな贅沢でなければ、
あるていどは自由になる生活の中で、
染色だけは自分のおもいどおりにはなりません。
その日の天候や湿度や、染料の状態や
何より私自身のきもちなど。
染料につかる生地を覗きながら、
どうか綺麗な色が出ますように・・といつも祈ります。
そもそも自然染めなど思い通りにならないのは百も承知で、祈っても祈らなくてもなるようにしかならず、出た色をうけいれるしかないのですが、
きれいな色が出た時の感謝の気持ちは、
言葉では表せません。
だれに感謝しているのかわからないのですが・・・。
小さな葉一つひとつに命があり、美しい。
夏の陽をたくさんあびて、襲い来る台風にもまけず、しっかり育った藍の葉。
ミキサーにかけ液をしぼります。
つけては空気にさらし、またつけてを
何度もくりかえす。
陽ににさらしていくと色がどんどん変化していきます。
私はアレルギーがひどく、皮膚が弱いのです。
皮膚科に通う日々がながく続きました。
そのせいか、はだに直接つくものは天然繊維のみ、天然染料のみとなります。
こどもの頃、原因不明の出血の病気をして、なんども生死をさまよったと祖母から聞きました。
免疫がよわいのに抗生剤がのめず、
漢方だけが頼りです。
大きな手術の経験もしました。
草木染をするようになって、
ひどい風邪をひかなくなり、
いまは多少の無理もきく丈夫な体になりました。
免疫力がつよくなり、自己治癒力のコントロールがきくようになりました。
食べるもの、着るもの、
暮らす場所は自分で選択できます。
だからこそ、いい加減な素材の服や化学物質の色をなるべく遠ざけ、ファッションの流行に左右されない、長く育てる服や靴を少なく持つ。
着物も長く育てていくものです。
誰がどうやって作ったかがわかる食べ物をたべる。
暮らす場所は
いつかは東京をはなれようとは思っています。
完璧にはできないのですが、つねに気を配るだけでも、生活の質は変わるように思うのです。