いろのこと

前の記事 次の記事

祈りの色と免疫力

2016年9月14日 12:19  草花の色 

染色の時はいつも祈りの気持ちで向き合っています。


たべたいものを食べる、ほしいものをかう、

行きたい場所にいく。

とくべつな贅沢でなければ、

あるていどは自由になる生活の中で、

染色だけは自分のおもいどおりにはなりません。

その日の天候や湿度や、染料の状態や

何より私自身のきもちなど。


染料につかる生地を覗きながら、

どうか綺麗な色が出ますように・・といつも祈ります。

そもそも自然染めなど思い通りにならないのは百も承知で、祈っても祈らなくてもなるようにしかならず、出た色をうけいれるしかないのですが、

きれいな色が出た時の感謝の気持ちは、

言葉では表せません。

だれに感謝しているのかわからないのですが・・・。




小さな葉一つひとつに命があり、美しい。

夏の陽をたくさんあびて、襲い来る台風にもまけず、しっかり育った藍の葉。



ミキサーにかけ液をしぼります。

つけては空気にさらし、またつけてを

何度もくりかえす。

陽ににさらしていくと色がどんどん変化していきます。



私はアレルギーがひどく、皮膚が弱いのです。

皮膚科に通う日々がながく続きました。

そのせいか、はだに直接つくものは天然繊維のみ、天然染料のみとなります。


こどもの頃、原因不明の出血の病気をして、なんども生死をさまよったと祖母から聞きました。

免疫がよわいのに抗生剤がのめず、

漢方だけが頼りです。

大きな手術の経験もしました。


草木染をするようになって、

ひどい風邪をひかなくなり、

いまは多少の無理もきく丈夫な体になりました。

免疫力がつよくなり、自己治癒力のコントロールがきくようになりました。


食べるもの、着るもの、

暮らす場所は自分で選択できます。

だからこそ、いい加減な素材の服や化学物質の色をなるべく遠ざけ、ファッションの流行に左右されない、長く育てる服や靴を少なく持つ。


着物も長く育てていくものです。


誰がどうやって作ったかがわかる食べ物をたべる。

暮らす場所は

いつかは東京をはなれようとは思っています。


完璧にはできないのですが、つねに気を配るだけでも、生活の質は変わるように思うのです。


前の記事 
紬のサロペット

いろのことTOP
 次の記事
自己価値を高める赤紫
ページトップへ