いろのこと

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伝統色彩士協会に関わった全ての方々へ

2020年4月3日 19:26  



皆さん、この数日間で大きな不安を抱えているでしょう。

心配です。

今までのように弟子の顔を見る事が出来ませんので、個々がどうしているのか、またこのブログを読んで下さっている多くの人がどう過ごされているのか。

重い気持ちであることには間違いありませんが、重い気持ちは免疫力を低下させます。

一つでもいいので、小さなことでも、楽しく思えることを見つけてくださいね。




阪急梅田店・関西チームの講師による「和のパーソナルカラー」診断の様子です。

みなさんこんな時期にも頑張ってお仕事をしてくださいました。

弟子達の頑張りに心強く思えた事、嬉しかったです。


日本の伝統色を使って着物の似合う似合わないを診断する伝統色彩士協会「和のパーソナルカラー」も表参道の「くるり」さんからスタートして9年目が経ちました。

「agaru」さんの時代から和のパーソナルカラーの教室をやっており、表参道ヒルズに「和の女塾」を立ち上げた初期メンバーとしてやらせていただきました。

この時の「くるり」の先生方が今の着物業界を支えております。


東日本大震災の後、私は専門学校の先生で、子供達に教えていた伝統色のカリキュラムをもっと大人の方にもと考えて作ったものが「和のパーソナルカラー」となります。

そして今の伝統色彩士協会の講師も、この時代の弟子が残って支えてくれています。

あっという間の9年でしたが、誰もやっていない、「着物を着るためのパーソナルカラー」を世に出せたことは「吉田雪乃」の仕事として有意義な事だったと思っております。

それからはコツコツと仕事の経験を増やし、千總さんや伊勢丹・三越・高島屋など百貨店のお仕事を中心に講師なども増え、大きな協会となりました。

また美術館での講演や、ギャラリーでの講演、NHKの番組や美しいキモノなどのお仕事などもとても楽しい経験でございました。



この数ヶ月の変化に、これから先どうなるのだろうと講師達も不安に思うでしょうが心配ありません。


東日本大震災で絶望になっていた日本の一番厳しい時に、この和のパーソナルカラーが立ち上がったのです。

ですので、今回もまた新しくパワーアップした伝統色彩士協会として立ち上がらなければなりません。

時代が変わればその時代に合わせて変化していけば良いのです。


これからはしばらく諸外国との行き来も不自由になり、日本は島国として自国の文化を強化することになります。

中国やベトナムに頼り切った商品でなく、日本のものを見直すことです。

日本は小さな国ですが、素晴らしい文化を沢山持っています。

そして素晴らしい職人がまだいてくれます。

これからも職人を増やしていかねばなりません。

これからの日本は職人の力が一番重要なのです。


伝統色彩士協会の講師。

伝統色彩士協会の診断を受けて着物に目覚めた人達。

全部合わせたら何千人になるのかわかりませんが、私と関わった人達が一堂に集まり、もう一度気持ちを新たに進んでいけるような会を、いつか必ず開けることを目標に。

それまで皆さん頑張りましょう!!!




伝統色彩士という名前は、日本の色を見分ける力のある人を指します。

着物には色以外に柄がたくさんございますが、それぞれの産地の紬や、人間国宝の型染め、友禅など知識は限りなく必要になってまいります。

またそいういう知識を全て持っていらしゃる着物全般に精通した方も多く、着物検定の級などもその知識の深さを認定されるものと思います。


私も一時期は全てを学ぶため、引き染めだけでなく養蚕や機織りにも熱中いたしました。

着物を所作から学ぶための茶道も長く続けております。


しかし、基本は色です。


多くの知識があることと、センス良く着物を着こなすことは違います。

素晴らしい着物を持つコレクターの方と、少ない着物でうまく着回す方も違います。

また茶道家であるから、着物姿が素晴らしいとも言い切れません。


どちらが良い悪いかでなはなく、向いている方向が違うだけでございます。


お茶の世界では知識と素晴らしいお道具を揃えることが多くの人からの賞賛に繋がりますが、着物の世界はそうではありません。

個性を持つこと、ストーリーのある着物姿であることが大事であり、高価で価値のある着物を着るだけで賞賛される世界でもないのです。


道具は、長年の時を経て人から人に渡っていくもので、道具自体で完成しており、どのような人間の手に渡ろうが見た目が変化するものではありませんが。着物は人が着て初めて完成するものですので、着姿にその人の人格が出ます。ゆえに、慎重にならねばなりません。


外れた色というものがございます。

単体では良い色に見えますが、集合体になると違和感が出ます。

そういう色を見分けることも大切な勉強です。


家にいても、色の復習をしておいてくださいね。


またこんな時にも次のスクール開講のお問い合わせを沢山いただき、ありがたく思っております。

いますぐに開講の時期を明確にすることは出来ませんが、必ず開講は致しますので、もうしばらくお待ちくださいませ。


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