すっきり痩せてみえるコーディネート
紗袷は秋にも着用可能と考える方も多いのですが、先取りが良しとされるので、悩むところですね。そんな悩みも着物の楽しさかも知れません。今日は痩せて見えるコーディネートや着こなしについて。
6月の終わりになり、ようやく梅雨らしく雨がふりました。
京都出張はひどい土砂降りでしたが、お足元が悪い中、京都高島屋にての講演にお越しくださいました皆様ありがとうございました。
さて先週のお茶お稽古は紗袷の着納め。
今年は3回ほど着る機会がありました。
今日は私の持っている資料から体型別のコーディネートや着こなしについて順次ご紹介します。
色については、先日も講演の際にお話ししたのでおさらいになります。
若いときには色数を多く使った小紋や訪問着などが可愛いらしく見えるのですが、年齢を重ねるとそのような色柄が体型を膨張させてみせてしまうことがあります。
スッキリ見せる=痩せて見える
と考えるならば、色数や柄は少ない方が痩せて見えます。
宇野千代さんも3色以内が良しとしています。(帯などを含めても全体の色が5色以上になるのはさけたいですのですが、アンティ―クな大正ロマンスタイルがお好きな方はこの色数ではむずかしいかもしれません)
地味な色を着る必要はまったくなく、明るくかわいらしい色でもその方の雰囲気に合えば全く問題ないのですが、そういう時こそ色数を少なく、すっきりと見せたいものです。
よく、薄い色は太って見え、濃い色は痩せてみえるから、私は濃い色しか着ませんが、実際はどうでしょうか?
このような質問が時々あります。
色の濃さよりも、暖色系(黄み)より寒色系(青み)のほうが後ろに下がってみえるので痩せて見えます。
濃い色でも、暖色系では効果がありませんし、また鮮やかな色はくすんだ色よりも強調して見えます。
鮮やかではなく、すこしグレイッシュトーンの寒色系でなおかつ透明感のある綺麗な色。
これが一番すっきり見える色です。
黄み系の肌の方は、半襟を生成りにしていただければ優しく着こなせます。
Aラインの体型の方
なで肩で上半身が割と細く下半身が大き目の体型の方です。
このような体型の方は裾合わせが難しく、裾が広がりがちです。
きものは筒型(ずんどう)の体型が理想的だからといって、腰の太さと同じだけ上半身の補正をしたのでは、身動きができなくなり着崩れの原因になります。帯の長さも足りなくなるかもしれません。
補正に頼りすぎず、着付け前の仕立て方に工夫をしてください。
腰幅の分を身幅だけで広げると上半身が細いため着た時に胸元が余りすぎます。
衽の合褄幅(長着の衿先位置の衽幅の事で、衽幅より狭いことが多いです)
これをとらずに衽幅を通して仕立てます。
身幅と合褄幅の両方で調節(後ろ幅を広くし、前幅をそのままに)すると抱き幅(脇縫いの身八つ口止まりから衽つけ縫い目までの横幅)にも無理がないと思います。
着付けの際は、上前の褄(衽の端)が腰線を隠すように決めないと腰がはみ出た感じになり体型を強調させてしまいます。
下前の褄先は16~17㎝多めに上げて深く入れ裾つぼまりに着ます。
上半身は余ってしわが出やすいので、身八つ口で前後の打ち合わせをしっかりとしておきます。
帯は広めでやや下目にゆるめにしめます。
細く見せようとぎゅうぎゅうに締めるとかえって強調させてしまいます。
帯の上が開き気味になるので、財布や手帳を差し込み支えにすると帯が上がって着ません。
これは昔の映画などでも、ふっくらとした女優さんが良くやっていることで、帯が上がるのを防いでいるのです。
今週はツキヒコさんのワークショップです!
その際に色々聞けるので楽しみです( *´艸`)