初夏と湿気ときもの
汗をかく時期のポリエステルと正絹のきもの、私なりの見解です。
一昨日は私の所属する「両忘会」の主宰である有吉先生の還暦パーティーがありましたので、フォーマルな着物を着用しました。
単衣の付け下げですが、長襦袢、きもの共に「英」のポリステルです。
ポリエステルと言っても、伝統工芸士さんによる手描き友禅なので、とても品よく美しい柄付けです。
そして帰宅後は即洗濯機に直行です。
ぐっしょり汗をかいていますので、帯揚げも洗います。
帯は川島織物ですがさすがに洗えないので、固く絞ったタオルでさっと汗抜きをして除湿機の上に干しておきます。
フォーマルな場合は正絹とポリエステル両方着ますが、普段着は正絹しか着ません。
まずポリエステルですと、通気性の問題もあり、汗をかいたあと引きにくい。
匂いが付きやすく取れにくいなどもあり、単衣や夏物は着たら即洗うが基本です。
しかし正絹は、通気性に優れているのでポリエスエルほど汗をかきません。
吸水性と放湿性に優れているので、汗をかいてもすぐにさらっとします。
夏は涼しく冬は暖かいという自動温度調整をしてくれます。
とても軽くしなやかです。
また汗のにおいなどが残りません。
正絹の普段紬は1回着るごとに洗わず、帰宅後によく湿気をとり、固く絞ったタオルで丁寧に汗抜きをして通気性の良い場所に干し、それを繰り返してワンシーズン着用します。
私の場合、普段着は90%が濃い色の紬や小紋ですので、汚れや小さなシミなどそんなに目立ちません。
ちょとした汚れはベンジンなどで手入れでき、濃い色であれば多少の失敗もわかりません。
フォーマルの場合は薄い色を着ますので、ちょっとしたシミも目立ちますし、襟や袖の汚れも目立ちます。
正絹のフォーマルはへたに自分で手入れをすれば輪ジミになり余計面倒くさいことになってしまいます。
単衣と夏物のフォーマルはポリエステルですが、袷の時期は正絹のフォーマルも着ます(お下がりが沢山あるので)
ま、不思議と袷の時期は汚さないで着ているようです。暑くない分落ち着いて行動できているからでしょうか(笑)
今の時代のきものは選択肢がいろいろあり、自分なりの季節に合わせた組み合わせを考えるのも楽しいです。
ところでこの一年、日々の長襦袢は正絹が主でした。
普通の正絹を自分で洗ってしまって多少縮んでしまいましたが(袖丈0.5㎝ 身丈2㎝)普段着では特に問題ないのでそのまま着ています。
一度正絹のみにしてしまうと、なかなか他のものは難しく、夏でさえ麻より絽の方がやわらかくて肌ざわりが良いものですから、正絹の心地よさはやめられません。
今ではきものスリップも下着も絹に統一しています。
おかげで冬の間、静電気が起きずに快適でした。
次は最初から洗うのを前提で普通の正絹の長襦袢を水通しして仕立てるようにしようと思います。
そういう意味で、これからは浅見さんの長襦袢や仕立ての「ツキヒコ」さんなどに注目です。
有吉先生の還暦のパーティは平日夜にもかかわらず多くの社中の方に集まっていただいて、とても楽しい時間を過ごしました。
東京会館のお食事もとても美味しかったです。
今年もまだまだ茶会イベントがあります。
是非沢山の方々にお越しいただければと思います。
引き続き会員も募集中ですので、見学などお気軽にお申込みください。
さて、私の伝統色彩士協会の弟子でもあり、お茶の同門でもあるちひろが、8月に出産予定となっています。
お茶の稽古には大きなお腹に帯をまき、むしろ洋服よりも安定感のある姿で通っていますが、
腰を支える、お腹を冷やさないで守るという意味では、きものは理にかなっていると思います。
新たに妊婦服を買わずとも、今までのきもので何とかやりくりしているのですから、経済的でもあるかな。
そういう彼女の考え方、いいな~とつくづく思います。