季節を楽しむ
5年前、尼寺にて精進料理を習った時期があります。
お茶を人様にお教えすることはないと決めていましたが、気心知れた友人達と茶会などを開き、その際に茶懐石が出せたらと考えておりました。
自宅に茶室が出来上がった頃にコロナになってしまい、茶室開きをした後は猫さん達の憩いの部屋となってしまっています(笑)
ご縁があって現在はその尼寺にて写仏の勉強をさせて頂いています。
先日紅葉の時期に友人の桜沢エリカさんを精進料理にお誘いしました。
静かな空間でゆったりとお食事できたことは嬉しいことでした。
エリカさんのブログです。
https://ameblo.jp/erica-sakurazawa/entry-12713831784.html
この時期にしか締めることのできない紅葉の帯も、出番があり嬉しいことです。
日本の美しい季節を楽しめる着物は本当に色々な引き出しを持った文化であると思っています。
お茶にどっぷりという生活の時期は、茶花と被ってしまうので季節の花のものなどは着用できませんでした。
また茶入れの仕覆と被ってしまうので、名物裂や有職文様なども気を使いました。
もちろん野菜や果物など花より格下のものや、動物、人物などの生き物の柄も着用できません。
秋の七草は着用しますが、春の七草は野菜としての認識ですね。
絞りなども正式な場所には避けてきましたし、もちろん茶会で紬は着用できません。
動物の革製品が使えないので草履は合皮か布、畳表など。
バッグは生地のもの。
単衣の始まりはどんなに暑くとも茶の世界では6月になります。
ですので着物生活の半分は決まり事の多いものでした。
ですがお茶は茶室の中で、花や道具に季節が盛り込まれています。
着物姿の私達が主役ではありません。
折角花やお菓子をご準備して頂いたのに、それを引き立たせるどころか、同じものが被ってしまうほど失礼なことはありません。
そういう意味では色無地がベストなのだと思います。
稽古の動きを考えれば柔らかものであるべきですが、私もお稽古だからといつも言い訳をして紬などを着てきました。
今はお茶から少し距離を置いたので久しぶりに自由な着物姿を楽しんでします。
アンティークの着物などはネットで見ているだけでも楽しいです。
しつけ付きの中古の着物もお安く出る時代です。
時々変なものを買って、うわ〜〜とびっくりしますが、それも楽しいです。
基本的に抹茶が好きなので、毎朝台所でちゃちゃっと薄茶を点てて、干菓子を頂きます。
季節の帯を締めてデパートなどで買い物をしていると、帯の柄と同じ主菓子を見つけたりしてつい買ってしまいます。
濃茶はほとんど飲まないので、薄茶で主菓子を。
本来は先に菓子ですがそこは自宅ですので、交互に好きなように飲んで食べています。
コーヒーに生菓子、紅茶に干菓子と好きなように。
少し離れたところからお茶と向き合うと、とても楽しいものです。
茶花も香りの強いものは使えませんが、今は茶室でなく日本間として使っているので香りのある花も好きなように活けています。
柿を色々な人から頂いた時期に締めた、塩瀬の帯。