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宮尾登美子と着物暮らし

2019年11月25日 10:46  お茶のこと



先週金曜日の日本橋三越のトークショーでもお話しいたしましたが、今現在私が住んでおります狛江は宮尾登美子先生のご自宅のすぐそばでございます。

お墓も近くにございます。

義父は狛江で履物屋を50年近くやっておりましたので草履などで宮尾先生とは不思議なご縁がございました。


今日はお天気が良く、久しぶりの休日でしたのでお散歩の帰りに先生のお墓にも寄らせていただきました。

近くに流れる川沿いの道をまっすぐ行きますと、先生の眠る明静院に突き当たります。


先生の作品はどれも好きですが、特に好きなものを。


「天璋院篤姫」この作品の井伊直弼とのお茶室でのシーンをDVDで100回以上見て、100回感動しております。


「櫂」この作品は自分の生い立ちとかぶるシーンがあり(うちは芸妓紹介業ではありませんが、高知へは小さい時に父に手を引かれよく行った場所です)当時の母の気持ちを考えてしまう作品です。


「松風の家」裏千家の極貧時代を描いた作品で、叔母から勧められ読み、お茶の世界に引き込まれた一冊でもあります。


「鬼龍院花子の生涯」夏目雅子さんの主演で有名になった作品ですが、原作は映画とは少し違っております。


「伽羅の香」私がお香を勉強するきっかけになった作品です。

陽暉楼」「寒椿」「序の舞」

そして「錦」

初代龍村平蔵を描いた作品です。これを読んでどうしても龍村平蔵の帯が欲しくなり着物の世界にどっぷり浸かるきっかけになりました。


一つ一つ熱く語りますと、ブログが長くなりますので、そのうち一作品づつご紹介いたします。


白洲正子・幸田文・宇野千代・谷崎潤一郎・林芙美子・様々な作家から影響を受けたものの、実は宮尾登美子の作品から受けた影響は私の人生そのものの歩みでもあります。

晩年を宮尾先生と同じ場所で過ごす事ができ、大変嬉しく思います。


皆様から本当によく聞かれます(先日の三越でも聞かれました)

なぜ普段からお着物を着るのですか?

暑い夏になぜ我慢して着るのですか?

毎日着付けとか面倒で嫌になったりしませんか?

草履で歩きにくくありませんか?


では私から質問です。

なぜ痛いのに我慢して靴を履くのですか?

買っては捨てての洋服の消費がきつくありませんか?

大人に似合うファッションがたくさんありますか?

体型カバーのできる素敵な服はありますか?


私から見れば洋服の世界の方が難しいのです。



着物はお金がかかりません。

流行がありませんので、30年前のおさがりのものでさえ違和感なく着れますが、30年前のウールのコートは現在残ってはいないと思います。


着物は着付けをしてお化粧をしてヘアをセットして、本当に大変です。

先生は普段から気軽に着るように言われますが、とても難しいです。」

そんな言葉をよく聞きます。



お恥ずかしいですが私は普段の日は全くメイクをしておりません。

ですのでスーパーや銀行などに出かける時、簡単な打ち合わせ、親しい知人に会う時などは眼鏡をかけております(眉毛があるように見えるので)

外出の際はニベアのリップクリームと日焼け止めクリームは使います。

帯は二部式の胴の部分のみを巻いて割烹着を着ており、出かけるときだけお太鼓を背負います。

髪は黒ゴムで一つに結き、お団子にしてピンで止めるだけです。

着物も汚れて良いポリエステルなどを着ます。

襦袢も袖がレースの半襦袢を普段着には愛用しています。


いつもいつも格好つけている訳ではありません(笑)


それでも着物を着るのは、好きだからという理由と、節約のためです。

出来るだけ洋服は買わずに済ませているので、靴や下着や、ストッキングなども購入しません。

バッグもお下がりのものが沢山あるのでそれを使ったりしています。

生徒さんは気がついているかも知れませんが、よーじやの化粧品もかなりの年数持つので、滅多に買うこともないです。


旅行も出張以外あまり行かないですし、胃が弱く美食もたまにしかできません。

その分、猫のまるおさんに少々お高いキャットフードと、無添加のちゅーる。

飽きられてすぐ無駄になるおもちゃなどにお金を使っています。













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