100色の伝統色と真剣に向き合う
一年かけて集めたほぼ未使用の色無地50着を業者さんに出しました。解いて反物にしてから、見本サイズに切る作業を致しまして、それから類似の色などを新しい生徒さん達と一緒に張り付けていき、伝統色彩士協会の色見本帳として来期の教材となります。
色を生徒達に教えるにあたりまして、初級・中級までは和紙などの教材を使ってまいりました。
ディプロマクラスになりますと、実際の正絹に染められましたドレープを使用いたしますが、その色は「和のパーソナルカラー診断」に必要な色であり、学ぶ色数は50色弱でございます。
今回あらたな色無地の色50色を足しますと、約100色の絹に染められた伝統色を学ぶ事となります。
色はPCやプリントアウトされたもの、マンセル記号や和紙だけでは学べたとは言えない。
正絹であっても艶のある生地、地紋のある生地、質感で色の見え方が違う。
それが長年の課題でもありました。
それが少し解決されたことに喜びを感じております。
昨年までは講義を講師に代行させることもございましたが、来期からはヘアや採寸などの講義以外は全て私が行います。
一年間のスクールのお休みの間、執筆や講演・イベントなどを中心にお仕事をさせて頂いてまいりました。
私自身の視野を広げる為に、織に真剣に向き合い、養蚕を経験させて頂き、後半は着付け師やヘアメイクの派遣などの仕事を請け負い、今まで以上に様々な方々から勉強をさせて頂きました。
そして、男性用の色診断の構築・来期の生徒さんの為の色見本の着物を集める事など合間にこつこつとやってきた作業がようやく終わりに近づき、2019年の開講となりました。
ビジネスとして捉えますと、教材にかける金額や手間暇など、とうてい成り立つものではありません。
そして本来教材とは未来永劫同じものが提供できるのが鉄則でございます。
しかし来期からスタートの教材には終わりがございます。
見本帳に使える生地が無くなった時点で終了となりますので、あと何年生徒さんをお教えできるかはわかりません。
協会を大きくすること、ビジネスとして発展させること、そのような事は今の私は考えておりません。
そういうことが目的で長い間色と向き合ってきたのではないと、強く思うようになりました。
ですので、資格だけを取得すること、ビジネスだけが目的の生徒さんはお受けできませんのでご了承くださいませ。
皆様と一緒に色を学ぶ事。
そして和の色が皆様の日頃のお仕事に役に立てばそれも嬉しいですし、色を通して、着物を通して、人生を豊かにできる事がありましたら、それが一番の喜びでございます。
来期からは生徒さんというよりはお弟子さんとして接して参りたいと思っております。
人数もそんなにはお受けできないかと。
同じ日本という国に生まれ、伝統色と真剣に向き合うということ。
日本の色はきものという日本の文化と共に、私達に美しい季節を見せてくれています。
二十四節気の色と着物をしっかり学んでほしい。
それだけが来期からのスクールの指針となります。
もうすぐ平成が終わります。
戦後のどん底から這い上がった勢いのある昭和から、苦しくつらいことの多かった平成となり、そして次の日本は、文化を一番大切にした穏やかで美しい国であってほしいと願っております。
お申込みのフォームが出来ましたら順次ご案内いたします。
現在までお申し込みいただいております方々は確定で承っておりますので、ご安心くださいませ。