お茶と紬~ぜん屋・道明・越後屋
2016年11月7日 17:36
お茶の稽古にはやわらかものというのが決まりごとのようでしたが、私は、ほとんど紬でお稽古しています。
点前のことを考えますと、やわらか物の方が適しているのは重々承知の上ですが、
茶室には草木染の紬が一番合うように思う時があります。
古いお道具などとの調和も考えると、華美でない素朴な紬は道具を引き立て、
気負わない空間を作れるのでは・・・と。
勿論正式の茶会に着ていくことはありません。
あくまで私的な集まりや、カジュアルな茶会や、お稽古の時のみになります。
ごく親しい友人にお茶を差し上げるのに、色無地などを着るのもちょっと堅苦しくいので、
着慣れた紬で茶を点てたりしています。
日本の伝統色を教えてきて、何年たったでしょうか、沢山の方々に和の色の美しさを伝授してきました。
黄色人種である私達に一番似合う色とは・・・と長い時間研究や勉強をしてきましたが、
今年NHKの「美の壺」の「小津安二郎」を担当させて頂いたのが一つの節目になり、
自分ときものとの関わり方を見直すこととなりました。
小津のきものの世界を作った浦野理一をもっともっと深く知りたい・・・・・。
そんな気持ちが染だけでなく、織の世界へと向かわせたのだと思います。
自分で織ることで、糸と色が作り出す神秘な世界の入り口に初めて立つことが出来るように思うのです。
ところで私は草履はぜん屋と決めていますが、
その「ぜん屋・道明・越後屋」の3店舗が
今回色をテーマに「和の色揃え」を製作しました。
ご購入は3点一組となります。
美しい色合わせは日本の伝統色ならではです。
こうやって色にこだわった企画をしてくださったこと、とても嬉しいですね。