自然と共存する着物〜よもぎ染
夏のような日差しが続いており、もしかしたらコロナもこれで少し勢いを潜めてくれるのでは?などど明るい気持ちになります。
もしまた冬が来て、ぶり返すようなことがありましても、これからしばらくはそのようなことの繰り返しになり、完全に安心できる世の中には戻らないかもしれません。
そうこうしているうちに更にまた新型のウィルスが発生しないとも限りません。
着物は生活に絶対必要な物ではなく、娯楽性のものとして捉えられると思います。
しかし、娯楽は生きる喜びであり、それが全くなくして人間は前向きには生きられないような気が致します。
どうやって折り合いをつけていくのかがこれから一番問われる事柄なのでしょう。
今回の自粛生活の中で、自然と共存するということがどれだけ心を癒すのかがはっきりとわかりました。
毎朝畑に出たり、小さいですが自分の庭でぼーっとのんびり過ごしていると、風の音や鳥の声が沢山聞こえてきますし、小さな池には鴨も来ます(池というより、水溜りです・汗)
毎朝鳥の声で目が覚めるというのは幸せなことでございます。
また難しいと思っていた庭の野の花たちが次々と花を咲かせ、長年の夢が叶い、穏やかな時間を過ごせております。
川で水遊びも出来るのですが、今は少し我慢しております。
先週はよもぎを川に摘みに行き、それでよもぎ染をいたしました。
アザミが咲いてたのでアザミも少し頂いてきました。
草木染めで緑を出すことはほぼ不可能でして、緑は藍と刈安などの黄色を重ねて染める事で可能となります。
しかしよもぎだけは緑がかった色を出すことができます。
またよもぎは婦人病にも良く、お風呂に入れたり、お茶にして飲んだり、化粧水にしたりと色々使える「和のハーブ」でして、万能でございます。
染めたものは、晒しの半襟、木綿の足袋、Tシャツ、お買い物袋、帯締めと帯揚げの6点となります。
普段着用に初めて色付きの半襟を染めてみました。
帯締めと帯揚げは正絹ですので、木綿と染まり具合が違います。
帯揚げと帯締めは、慶事用のものでして、少々黄ばみのある古いものですが、こうやって染め直せばまだまだ使えます。
紬にぴったりの良い色に染まりました。
早速染めたものをお気に入りの丹波布の単衣に合わせました。
初めての色半襟と色足袋です。
帯締めもよもぎで染めたものです。
普段の着物では、和装ブラジャーも補正も帯板もしません。
晒しの肌着に筒袖半襦袢、裾除けです。
窮屈な姿ではリラックス出来ませんので、ゆったり楽に着るようにしております。
大好きな丹波布を着て思いました。着物は自然と共にありたい。
自然と共存できる着物姿でありたい。
自粛生活を続ける中での今一番の思いです。