キモノのこと

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秋単衣とアシスタントのこと

2019年9月22日 11:21  


単衣には春単衣と秋単衣がございます。

秋単衣は秋草文様が描かれていれば、それは秋のみの着用となります。

ここのところお天気が悪く、フォーマルは「英」のものが多かったのでございますが、久しぶりの絹物訪問着に少し緊張いたしました。


色は浅黄と薄萌黄の中間のような色。

私は桜子さんですので、青みのものが基本は似合います。

黄色系を着用するときは、温かみのない、冷たい色であることに気をつけております。

帯締めは、何にでも合わせやすい道明「三井寺」


昨日は高島屋横浜店にて、千總様の白生地や色見本でお選びいただく「和のパーソナルカラー診断」でございました。

アシスタントは那須。

彼女は私のアシスタント歴も長く、振袖、個人診断、ミュージアム講演など、多岐にわたって経験している信頼の置ける診断士でございます。

また礼法を学び、所作や物腰も柔らかく、最近雰囲気が私に似て来たようにも思います(笑)



アシスタントに入ると、必ず彼女なりの学びを得て次の回に入るので、常に技術が向上していると感じます。

彼女が振袖診断に入った時も私がどのような場面でどうアドバイスしていたかがしっかり入っていますので、とても安心して見ていることができます。


なぜ彼女がそのように診断技術が上がるかというと、それは「人の話をよく聞く」これに尽きます。


私の一言一言をしっかり聞いて、自分に活かす。

人の話を聞けない人は、絶対に成長できません。


そしてゆったりと落ち着いて物事を進められる。

その姿がお客様に安心感を与えるのでございます。


自己流は少ない引き出しを開け続け、出すものもなくなり、やがて苦しくなります。

師匠とはその引き出しをその人の適した時期に次々と授けてくれるものであると思います。


私にも尊敬する師匠がおります。

師匠から私へ、私から弟子たちへ、弟子たちからまた孫弟子たちへ・・・。

皆がそうやって後に後にと続くことが、伝統文化の継承ではないでしょうか?



伝統色彩士協会の診断は、話し方やマナー、接客に対しても基準がございます。

また色を見るだけでなく、幅広い知識の中で着物に対する様々なご相談に乗ることが多くございます。


医師免許を取得してもすぐに名医になれるわけではなく、経験を積み重ねてこそ信頼が得られるものと。

また評価は自分でなく、他者のお世辞のない言葉から得るもの。


自分がいかに凄い人間であるかを発信しましても、中身が伴わなければすぐに見抜かれてしまいます。

瞬間に人が集まっても、長く留まることはございません。

私の評価は、長くアシスタントを務め成長している弟子達の姿であり、それが誇りでもあります


私自身に欠点が多くとも、弟子が立派であればそれで良いように思います。


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