秘密の宝箱
私の家にはお宝がたくさんあります(人によっては殆どがいらないものかも知れません・・汗)
祖母や叔母の残した着物全てが宝ものですが、その中でも秘密の宝箱というのがございます。
それを開ければ祖母の生きていた時代に戻れるようなタイムスリップの箱です。
私の心臓みたいな部分です。
残念ですが他の人にお見せすることも、触っていただくことも出来ません。
それぐらい大切なものなのです。
ですがブログでしたら、お写真ですので気楽にご覧いただけます。
かみおしろいは小さな和綴じ本になっていて3冊。その他紙入れや鏡入れ、手作りの楊枝入れなど。
それから家族全員の採寸が書き記されている採寸メモ帳。
祖母の時代は皆仕立てが出来ましたので、このように仕立てについての細々としたことを書き記してあるのでございます。
病気をして痩せた兄(祖母の兄)の着物をどうつめるのか、祖父のこと、娘のことなど、自分が太った時の事など。この採寸帳を見れば一族のそれぞれの人生が鮮明に見えて参ります。
これが私の宝でございます。
たくさんの血の繋がりがあり、先祖の方々がいて私が存在します。
その繋がりを若い時はあまり意識いたしませんでしたが、ここ最近日本という国の危うさを考えます時にもしかしたら今の日本は間違っているのではないかと思う事が度々ございます。
日本人という血を受け継ぐことの意味。今の日本に何か意味のあることを残していきたい。
それが着物の文化を残す事であると考えております。
ファッションとしての着物でなく、文化としての着物を残したいのです。
お前は将来日本で何を考えどう生きていくのだ?
祖父に聞かれるたびに、ただ普通に生きてはいけないのだろうかと不満に思ってまいりました。
ですが20年後小学校から出てきた未来の私への手紙には、こう書き記されておりました。
「日本で初めての女性総理になる事」
小学生の頃の私の夢は政治家になる事でした(汗)
はっきりと記憶しております(全く理解はしていませんでしたが、子供の頃なぜか田中角栄が好きでした)
大きなことを言えば祖父が喜ぶと思ったのでしょうか・・・。
ケーキ屋さん、保母さん、お嫁さんではありませんでした(笑)
お勉強も出来ず、体も弱く、残念ながら政治家には程遠い人生でございましたが、着物で世の中を少しでも変えて行けたらそれで私の役割は十分でございます。
私一人の力では無理なことも皆さんと一緒であれば可能でございます。
どうかこれまで以上に着物の世界を世の中に発信し続けて頂きたく思います。
お弟子さん、講師の方たちへの切なる願いでございます。