キモノのこと

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お茶と着物

2019年10月16日 20:19  



日が経つにつれ、被害の大きさに心が沈んでしまいますが、私も今回の台風で初めて猫さんと避難所に行くという経験を致しました。


精神的にも辛い経験ですっかり気落ちしてしまいましたが、一昨日は、社中の方の茶名拝受の茶事にてお手伝いをすることになっており、なんとしても駆けつけなければと心を奮い立たせて行ってまいりました。


茶懐石は事前に講習会がございましたので、当日は皆様と共に落ち着いてこなしていくことが出来ました。

最初のご飯の水加減や炊き上がりの時間などとても不安でしたが、お客様や先生方には美味しかったとお言葉を頂けましたので、安堵いたしました。



お菓子は北鎌倉のこまきさんです。

北鎌倉の円覚寺・百鷺池の隣にある素敵なお店です。

餡が優しいお味で大変美味しく、甘さに尖りがなく感動してしまいました。

次回からは自宅用に購入しようと思います。



ゆったりと穏やかな時間の中にも緊張感のあるお茶事の水屋に参加できまして、新たに勉強になることが沢山ございました。

何よりもお客様を慮る時間の使い方や、流れなどこれからのお稽古に生かしてまいりたいと存じます。


今回のお着物は、水屋でしたが絹で伺いました。

雨でしたので、私自身も皆様も少し気持ちが晴れやかになる色をと。

地味になりすぎず、前に出過ぎず。

難しいことではございますが、お茶の着物は常に自分中心の考えでだけでなく、調和をも考えております。


台風が来ると共に先生からお電話があり、布団があるから家族全員こっちに早めに避難しても良いぞと言っていただけたこと、心強くとても嬉しく思いました。

お茶を学ぶということは点前という形ではなく、心を学ぶものだといつも言われているお言葉が胸にしみる日でございました。


お軸は「至誠」

この上なく誠実であること。

その心・・・。

私も弟子達にそのような気持ちで向かい合ってまいれるよう、これからも精進いたせねばと思います。












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