紗袷の着物
紗袷は、5月の終わりから6月のはじめに、袷から単衣に変わるほんの少しの期間に着用する着物と教わりました。
その後時が経ち、着物のルールが緩くなってきて、単衣の時期や秋単衣の時期も着用して良いのではという風に変わりました。
戦後は大手の着付学院の決めたルールが着物の正しい決まりとされていましたので、それを少しでも外すと学院の先輩方に街中で怒られてしまうという事もあったようです。
時代は変わり着物を着る人口が少なくなった今はルールはあってないようなものになりつつあります。
私の叔母も祖母も口うるさい人でしたが、注意をされているうちは守られているような気がして、今となれば懐かしい思い出です。
昔のお小言にはどこか愛情が感じられる時がありましたが、今の批判社会には愛情はありません。
そういう世の中になったのだと心してかからねばなりません。
私の紗袷は、流水とススキの文様なので秋単衣にも着れると解釈をしています。
しかし5月も9月も天候が不安定で、必ず毎年着れるかというと難しいところです。
今年は思い切って昨日の日本橋三越クラスに着用しました。
昨日は皆さんがお茶やらワインやらお菓子などをお土産に色々くださいまして、今朝とても美味しくいただきました。
ありがとうございます。
そういえば夏に食欲のなかった時にも、弟子が好物のシャインマスカットを送ってくれました。
あれも嬉しかったです。
それから写経をしている私に、毎日簡単にできるようにと短いお手本を書いて送ってくれた書道講師の弟子もいて(それは次回のブログでまた詳しく)
こんな時期だからこそ、心遣いが嬉しく幸せだな〜と感じます。
一年かかって縫い上げた単衣を着てきた弟子や、雪乃の雪輪の文様とご自身の文様を組み合わせてとても素敵な縫い紋の着物を着て来た弟子もいて、とても嬉しい気持ちになりました。
みんなと何かで繋がっているという幸せは今の時代に貴重なことです。
ようやく涼しくなり、お着物が色々楽しめる季節です。
着物は着てあげるのが一番の愛情です。
気持ちがふさぎ込まないよう大好きな着物を着る機会を増やしましょうね!!