生き方の見直し
先週は義母の一周忌でした。
法要の後、森の中の小さなレストランでごく少人数の身内で食事会をいたしました。
雪の降る寒い日でしたが、家族や親戚が一緒に食事ができ、心がホッとする日でございました。
着物は地味に、雨に強い大島で。小物も色は抑えてあります。
最近は、コロナという目に見えない菌に怯えるようになり、景気が悪くなるのではないか、オリンピックはどうなるのだろう、万が一の時のために免疫を強くしておかねばならないかなど様々な心配をしておりました。
それは心のどこかで日本は大丈夫であろうと自分に思いこませていたからでございます。
しかし、今は他国の状況、日本の景気など、ある程度は覚悟が必要なのだとわかると、この状況を受け入れジタバタ騒ぐのではなくこれからどう生きていくのかを見直すべき時だと考えが変わっております。
法要の際、ご住職様はみだりに命を奪って残すような食事から改めるべきだと仰いました。
毎回大切な命をいただくから「いただきます」と手を合わせ口に入れるのではないか。
家畜を必要以上に殺し、食物にして残ったら廃棄する。
この人間の奢った精神があるからこそ、今の地球の危機につながっているのだろうと。
尼寺で精進料理を学んでいた頃は常にそう思っておりましたが、日々の忙しさから、食べ物に感謝する気持ちが薄らいでおりました。
人間は気をぬくとすぐに堕落する生き物なのだと自分を省みて思う日でございました。
暗い気持ちになりがちですが、私の小さな庭は、夢にまで見た野の花がすくすく育っております。
山芍薬、春蘭は蕾がふっくらと。
そして貝母百合が咲きました。
貝母百合はあまり派手な花ではなく、日陰にひっそりと咲くのだそうです。
倒れないように少し背の高さのある木の脇に植えましたが、心配していた雪の日も、みぞれの日にも耐え先日咲いてくれました。
自分の庭で茶花や草木染めの染料を育てていくことが私にとって夢の一つでもありました。
草木が咲いている姿を見て活ける。
広尾のマンション住まいの頃からいつか庭が手に入ったらと密かに勉強していました。
しかし、実際は健気に咲いている姿を見て切ることが出来ず、この小さな庭で命を終わらせてあげたいと思ってしまうのです。
難しい問題です。
そんなことを考えておりますと、野の花も、そばにいる猫のまるおも、牛も豚も皆同じ命。
せめて四つ脚を食べる回数は減らすべきだなと思ったりしております。(極端にすると家族や友人に迷惑がかかるので)