色と織の茶会
茶室開きをした後すぐにコロナ禍に入ってしまいましたので、自宅で仲間とお茶を飲むのは久しぶりとなります。
染色の関係上灰は沢山ありますしお茶用の炭も沢山あるのですが(コロナ禍でお教室を畳まれた先生方から送って頂いてます)このご時世でまだまだ濃茶が難しいので、薄茶だけならば気軽にやりましょうと言う事になり、簡単ですが炉開きの茶会をさせていただきました。
染色が専門ですので今回のテーマは「色と織」
茶室に馴染む色と、織の着物での参加としました。
浦野理一の紬の裂で仕立てた掛け軸に同じく浦野理一の縮緬の生地を掛けました。
花は野の花司さんの白玉椿。
気心の知れた仲間で集まり、亥の子餅を食べ美味しいお茶を飲む。
一番楽しい茶会かも知れません。
白洲正子氏の現代のお茶に対する辛辣な文章を幾度も読みすぎたせいか、道具や点前ばかりに重きを置くお茶に対してハス斜めに見ているところもあります。
とはいえ、素晴らしい茶碗を見れば心豊かになり、美しい点前を見れば清々しい気持ちになります。
世の中、常に正解不正解が分らぬもの。
ここ最近、いろいろな茶人とお会いすることがあり、私ももう少し肩の力が抜けたお茶を楽しんでいけたらなと思っています。
そういえば、伊勢丹の茶会はじめでご一緒した伊丹宗友先生も、非常にフランクでユニークな先生でした。
皆さん極めた経歴をお持ちであるが故に、お茶の世界と気軽に楽しく向き合われています。
緊張感のある中にもゆったりとした時間が流れ、全員が充実した笑顔で終わり、
次はいつにしましょうか!!と心待ちにすることが出来る。
今回集まった意味がそこにあると思っています。
茶会に関しては友人の桜沢エリカ氏がブログに書いているのでそちらをご覧ください。
https://ameblo.jp/erica-sakurazawa/entry-12775566781.html
今回の茶会では牛首紬を着用しました。
素鼠色ですが、艶があり所々刺繍があるので地味にならずに着ることが出来ています。
帯は濃蘇芳で、写真ではわかりずらいですがザクザクとした織です。
胡粉色の帯揚げに、道明の帯締めを合わせています。
ようやくコロナ禍の終わりが少し見えてきましたので、本来の日常を戻しつつ、仕事にもプライベートにも充実した時間を持てるようにエンジンを掛けていかねばなりませんね。