キモノのこと

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和は一過性のブームではありません

2019年8月12日 13:54  


伝統色彩士協会では、成人式を迎えるお嬢さま方に日本の伝統色の中で似合う振袖の色を探すお手伝いをさせていただいております。

年間を通じて何回か行っておりますが、振袖だけでなくお顔周りに来る髪飾りの色などもアドバイスいたしております。

振袖の色は洋服とは違いますので、どの色が似合うかを見極めるのはご自分ではなかなか難しいのかも知れません。


さて引っ越しを一月後に控えておりますので、そろそろ荷物の整理を始めております。

昔の雑誌なども大事な記事はファイルに挟み、なるべく捨ててしまうようにしております。


ふと気が付いたのですが・・・・。

女優さんや、料理研究家の方、またデザイナーの方やライターの方達が、「今気づく日本の美」「今、和が美しい」「わたしの着物生活」その様な内容で特集している昔の雑誌や本がたくさんあり、ではその方々は今でも和を中心に思っていらっしゃるのかしら?と思って調べてみますと、皆様和とはかけ離れた生活を送っていらっしゃいます。


手元にある本には、和の世界を追求して様々な知識をお持ちになり、お稽古事や、文化の紹介、器であれ、着物であれ、素晴らしい世界観を表現なさっておりますが、それはもう過去の事なのでしょうか。


一時のブームでしかなかったのでしょうか。

少し寂しい気がいたしました。


私はずっと変わらず和の事と着物の世界でしか生きれませんが、女優さんなどは変化していくことも大切なのでしょう。

ライターの方も、その時の話題となることについて書かねばならぬ仕事上の事もあおりなのでしょう。

仕方ありません。


オリンピックの開催により、和の文化がにわかに盛り上がりを見せておりますが、これが終わってしまえばどうなるのでしょう。

夢が叶うことや、大きなイベントの後こそ、どう生きるのかを問われることになります。


今流行っているからという気持ちで学んだことは、時間がたてば褪せて見えてまいります。


日本の文化は、流行りなどとは関係ないところでずっと存続するものであると思います。


私も人に自慢できるほどの沢山の知識を持ち合わせておりませんが、少なくとも日本人代表として日本の文化を最低1時間はスピーチできると常に思っております。

先日各国の大使館の方々とお会いすることがあり、着物で出席いたしました。


着物は暑くないのですか?とのご質問に

「暑くとも涼しい顔を致しますのが日本の女性でございます」

とお答えいたしましたら皆さん納得いたしておりました(笑


本当は暑いんですけど、口に出したらもっと暑くなりそうですので・・・。


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