道を作る〜竺仙浴衣勉強会
今年の新しい浴衣は竺仙の綿紅梅ですが、煤竹色という今までとはちょっと違った色味を選びました。
竺仙さんの試験的に染めた反物ですので、今後この色の発売予定はありません。
いつも浴衣は紺か白が多く涼しげな雰囲気を出してきましたが、今年はこっくりとした秋色をあえて夏に着ようかなという気持ちで選んでみました。
江戸の粋を意識して、キリッと着てみました。
この頃、皆さんに迷いについてよく相談されます。
道は、最初からあるわけではありません。
最初は雑草が生えている草むらですが、同じ場所を歩いているうちに草丈が低くなり、何回も何回も同じ場所を歩くとそのうち雑草もあまり生えなくなり、道になります。
この道を歩くと決めて何回も同じ場所を歩いて道ができるのです。
あちらの方が楽できそうである、あちらの方が良いことがありそうであると、四方八方に歩いても道は出来ません。
何回も歩くとは、進んで戻って進んで戻るという事。
同じ場所を行ったり来たりしながら少しづつ自分の道を作っていくという作業です。
ここを歩きなさいと誰かに助言されたいと多くの人は思うでしょうが、自分で探して自分で覚悟した道でなければ、歩き続けることは出来ません。
いつも同じでつまらないように思える道であっても、やがて花が咲き、光が溢れて、美しい景色の中を軽やかに歩いていけるよう信じる事です。
成功という形は、必ずしもお金がついてくることではないかも知れませんが、多くの仲間や家族の愛情や、穏やかな日常の中に自分が存在するのなら、それは大きな成功であると私は思っています。
一昨日は久しぶりの講師勉強会でした。
竺仙の歴史を元に、何冊もの見本帳から様々な素材や柄を学ぶというものです。
今後10人前後の勉強会を何回かに分けて開催していく予定です。
マスクをしながらの講義は苦しかったのですが、それでも皆さんとお会いできて気持ちがホッと緩みました。
休憩のお茶の時間だけマスクを外しております。
これから一月かけて弟子たちを顔を合わせていきます。
楽しみであると同時に、顔を見て話すことの大切さを強く感じました。
ところで今日、病院で女性ホルモンの検査結果が出ました。
先生が「あなたの年齢で、こんなにバランスの良い数値は素晴らしいです!!きっと、日々穏やかで落ち着いた状態で過ごされているのでしょう。幸せですね〜」と何度も褒めて下さいました。
そんな風に言われてちょっと嬉しかったです。
確かに年齢を重ねて忘れっぽくなり、ここ数年続いた辛いことなどは殆ど記憶から去ってしまい、楽しかったことばかりが残ります。
もともとぼけっとした性格でもありますが・・・笑
何が楽しいのかニコニコしていることが多いのです。
そして失った若さの代わりに、日々の小さな満足感が増えました。
今日は大好きな友人とゆったりと過ごせたので、本当に楽しい1日でした。
不安な日々がまだまだ続きますが、皆様にも幸せの時間が少しでも増えますよう心からお祈りいたします。