小千谷縮 昔と今
長年着ている小千谷縮である。(記憶では13年ぐらい)
もう何十回も洗濯機でぐるぐる回し、擦り切れ色も褪せているのだがこれが良い。
最初の頃はもっとパリッっとしていたので体に沿うということはなかったが、今はくたっとしていて骨格と一体化している。
暑い夏は着物用のブラジャーもせずに着ているのだが、特にだらしないという姿にはならない。
写真左はまだ新しい頃。
今週の土曜日に内々のイベントがあり、本当に染織りが好きな人と楽しい時間を過ごせそうなのでとても楽しみにしている。
このイベントは私にとって、今までの着物生活の総まとめのような気持ちでもある。
伝統色彩士協会立ち上げから遡り3歳の私が今とどう繋がっているのか。
バラバラになったパズルが合わさる時でもある。
長年探し続けた映画のフィルムが見つかり皆さんに見て頂くのだが、それは私が過ごした場所でもあり、原点でもある。
最近少しづつブログの頻度が少なくなり、ほぼ書かなくなっていたように思うがこれには原因がある。
色々な理由はあるが簡単に言えば己の感性が著しく低下した。
美しいものも、こだわってきた考え方も、やりたくない事も、全部ごちゃ混ぜになってしまった。
悲しいが、協会の代表という立場では、嫌なことを嫌と、嫌いなことを嫌いと言える自由はない。
自分だけの事を考えて進んでは行けない。
どこで折り合いをつけるのか、消化できないまま年月が経った。
もう一度一からやり直そう。
最近はそんな風に思う日が多い。
「50代まではコツコツと能力を積み重ねる。
うまずたゆまず積み重ねる。
その結実が60代からの人生を輝かせる。
人間60歳までは人生が騒がしい。
あっちへ行きこっちへ行き色々な経験をして人生修行をする時代です。
人生の本番を迎えるのは60歳からなのです」
宇野千代さんの言葉である。
宇野千代さんの代表作「おはん」を書き上げたのは60歳の時。
私は今年59歳になり、来年の秋に60歳を迎える。
さあて、どんな本番が待ってるのか楽しみだ。