藍染着物と無印良品のインディゴ
藍染の着物と無印良品のインディゴ
大きな違いは藍染はすくもを発酵させた天然染料で染めるもの。
インディゴは合成染料で染める藍色です。
本藍染は糸の中まで色が入るので、時間がたつと深みが増したり、まろやかになったりします。
インディゴは簡単に鮮やかな色に染まりますが、摩擦や洗濯のたびに色落ちします。
その色落ち具合もファッションの一つになっています。
最近は着物でもデニム着物などがあるので、どちらもその時々のファッションの捉え方として着ることができます。
私は藍色が好きですので、洋服でもデニム系を着たり、綿や麻のワンピースを自分で藍染したりしています。
黄ばみがあって着れなくなったものや、シミがついてしまったものなど、藍染でまた新しい衣類として再利用できるのも素晴らしい事だと思います。
江戸時代は、紺屋といってあちこちに染屋があり、色が褪せてしまった藍を何度でも染め直してくれました。
それを現代に活かし、無印良品ではReMUJIhttps://www.muji.com/jp/re-muji/としてリサイクルの衣類を藍色に染め直して販売しています。
服や着物を長く大事に着るという考えは、断捨離とは少し逆の考えで、捨てては買うでなく、捨てずに何でも再利用するという考え方でもあります。
これは江戸時代の庶民が厳しい暮らしの中で考えた大切な知恵だと思っています。
長く着るために、ベーシックなデザインのものを選ぶことも大事です。
以前から落ち着いた年齢になったら、着物と洋服とのイメージが同じラインにある暮らしをしたいと考えてきました。
実際毎日着物で生活することが難しくなっています。
母と叔母の施設、病院、ボランティア関係の仕事や父の仕事、草木染の研究など、着物では無理のある場所に行くことも増え、今は着物より洋服の時間が多い時もあります。
以前はどんな場所にも着物でいくことに何の躊躇いも感じませんでしたが、コロナの影響でまずは自分より相手がどう思うかを考えて行動するようになりました。
その分着物で仕事をする日や集まれる日をとても楽しく大切な時間に思えるようになりました。
そして日本の色と草木染の研究は今まで以上に時間を割く様になり、充実した日々を送れています。
協会の染めは今は私と三浦の二人でやっているのですが、春夏号のきものSalonに私達の師匠でもある新田工房の新田克比古先生による紅花染めが特集されています。
お時間がありましたら是非ご覧ください。
昨年、無理をしても工房で修行させて頂いた経験はとても貴重であったとつくづく思います。