大人の色気の浴衣とは
大人の浴衣はやはり多少は色気を持って着たいと思っています。
ただそれが意図的であれば嫌悪感を抱かれかねないので、気をつけなければなりません。
50過ぎた色気は、男性目線でなく女性目線で評価された方が良く、それは目に見える色気でなくふとした瞬間に思わず出るものが美しいと思っています。
しかし、お若い方は色気を全面に出しても嫌味がないのでコケティッシュでむしろ可愛らしく見えます。
大人浴衣は着物よりも抜けた感じで清潔にさらっと着こなすことが大事ですので、一生懸命着ました!という感じでなく、ちょっと浴衣を引っ掛けて近くの買い物へ・・というさりげない雰囲気が良いのです。
幸田文の「流れる」と言う映画がありますが、あの中の山田五十鈴の浴衣姿が理想です。
浴衣に半襟をつけて着るときは、着物の感覚で良いと思います。
竺仙の綿絽や麻の混じったものなどは私も半襟をつけて着物風に着ますが、綿コーマは必ず素肌に着るものです。
前回の色の話で紫は一番陰性が強い色であると、そして中和させる色は松葉ぐらいが良いと書きました。
今日は紫の麻の葉模様に、松葉色の博多を合わせました。
ちょっと歩いて遠くのパン屋さんまで行くのできちんと半幅帯を締めていますが、家から一歩も出ないときは、半幅帯に見える伊達締めという便利なものだけで過ごしています。
浴衣の似合う似合わないは、その人の持つ雰囲気と、和の色のカラー診断で見分けていきます。
浴衣は一色でなく多色使いの物も多いので、苦手な色が前に出るような柄は避けた方が良いと思います。
また大人であれば、柄は縦に流れるようなものか古典柄が良く、柄の線が繊細で細い方が美しく見えます。
何枚かの中の一枚でしたら冒険した柄の浴衣も楽しいかもしれません。
案外難しいのは有松鳴海絞りなど表面に凹凸の多い浴衣です。
似合う人と難しい人に分かれます。
ボリュームのある胸や腰をお持ちの方は注意なさってください。
和のパーソナルカラーで総絞りが似合わないという診断が出た方もご注意ください。
また、金魚や団扇、風鈴や牡丹菊など丸みを帯びた柄も避けた方が良いです。
華奢な方は逆に丸味を帯びた柄で柔らかさを出してください。