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着物のためにパーソナルカラーは必要か

2022年10月15日 15:11  草花の色 





着物  海松茶  重要無形文化財結城紬 草木染め

帯   香色   草木染め

帯揚げ 葡萄色  自作草木染め

帯締め 蘇芳   道明


少し前に、色のページの連載のお声がけを頂きました。

木村孝先生の本を参考に企画したとの事で、とても綺麗なカラーページでした。

様々な調整で来年夏まではスケジュール的に連載などはとても引き受けられない状態であると判断し、残念ではありましたがお断りさせていただきました。

しかし日本の伝統色の先生として連載のお声をかけていただけることは大変有難くまた嬉しいことであります。



さて、今回は私が10年以上前に提案した着物を着るための和のパーソナルカラーですが、果たしてそれがどの程度必要なことなのかについてお話しいたします。


まず、私自身は20代、30代、40代後半ぐらいまでは青みの色が似合う(洋の世界ではブルーベース)タイプでした。

年齢と共に肌にくすみが出て、シミが出て、黄色人種の特徴が濃く出るようになり、段々と黄みよりに近づいています。


花王から出ている女性の年齢別肌の色について、「50代の肌の明るさは20代後半の水準の半分以下、肌の黄色みは20代後半の水準の2倍近くに上昇している」

となっています。

また肌の色だけでなく、顔のたるみなどによる影が顔色全体を暗くしています。


骨格も同じです。

私が若い頃に習った骨格ストレートやウェーブタイプなどの凹凸も、40代後半で皆同じように下がっていき50代では段々はっきりしないボコボコした体型になっていきます。

その人の生活習慣などに合わせて変なところに肉がついてくるようになるのです。

背中や、腰は肉がつくのに、胸が下がり首から下は肉が落ち、その分胃と下腹に肉がたまります。


これは仕方のないことで自然なことですが、それをどうカバーしていくのかが要となります。


ですので着物のための和のパーソナルカラー診断は20代〜40代までを一区切りとして、50代〜は和のパーソナルエイジングカラー診断となります。

加齢によるくすみ、黄色みの増す肌に対応する色を出していく。

大人の肌に特化したものになります。

骨格に関しても、あちこちについた贅肉を感じさせないようにすっきりと着る着付けを第一として考えています。


むしろ50代からこそが色を選ぶための診断が必要であり、通常のカラー診断では補えない事が多いと思っています。

着物ためのパーソナルカラーは20代の振袖、それから30代40代前半ぐらいまでは、青み黄色みと診断もつきやすいですが50代以降は皆黄色い(笑)

ざっくりいうとそうなります。

年齢と共に肌が薄く透明感が出るということはあり得ません。

年齢と共に肌のターンオーバーが遅くなり厚みを増します。

肌の奥のメラニンが排出されず、シミになり黄色くなるのです。


またグレイヘアになると似合う色も変わってきます。

シルバーよりのグレイヘア、イエローよりのグレイヘア、もしくは別のカラーをかけているシルバーヘアなど。

黒ではない髪の色になると、似合う着物の色に変化が出ます。


100人いたら100通りの診断があり、多くのデータを組み合わせて診断を出していきます。


パーソナルカラー診断は着物を選ぶ際に参考にはなりますが、それよりもまず先に日本の色を学んで欲しいと思っています。


日本の色は源氏物語の誕生した平安時代に完成しており、重ねの色目などで美しさを表現する感性が私たちの祖先の色に対する考え方であると。

着物を着るときに、そこをスルーして和と洋の色が混ざった診断では色の感性が学べません。

着物の色の組み合わせはやはり色の歴史から学ぶものであり、日本の風景にあったものであると。


日本の伝統色には年齢による色の選び方が存在します。

次はそのことを少し。


11月は伊勢丹新宿店で「ISETAN茶会はじめ」のイベントを行います。

本格的なお茶のイベントになります。

協会では茶会での色無地を選ぶ際の和のパーソナルカラー診断をしたします。

沢山の皆様のお越しをお待ちいたしております。



13期の募集を始めます。

開講は2023年3月〜4月を予定しています。

場所は日本橋三越、もしくは新宿になります。

詳しいことが決まりましたらまたお知らせいたします。

ご予約はメールにて承ります。

info@traditional-colorist.org





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