始末の良い和の暮らし
雨がしとしとと朝から降っており、寒さが厳しい日です。
庭の椿に沢山の蕾を見つけ、歓喜の朝でした。
日頃幸せと感じるラインをかなり下げているので、天にも昇る嬉しさです(笑)
庭に出て、蕾の一つ一つに「ありがとう」と感謝しました。
下に落ちてしまった花は拾って冷凍庫で保存します。
のちに花染め(椿染)に使うためです。
大きく開いた花は、切って、部屋に挿しました。
鎌倉の友人がやっている骨董店でいただいてきた、小さな自在鉤です。
囲炉裏が欲しいといつも友人にいっておりましたが、普通の住宅では煤も出ますし、吹き抜けではありませんし、到底無理ですので、これで我慢なさいとくれたものです。
少々壊れていたものを直して使えるようになりました。
ここのところあまりに寒いので亀の子を作りました。袖無し半纏のことで、子供の頃はよく祖母が作ってくれたものです。
背中に綿を入れて膨らんでいるせいか亀の子というものだと教わりました。
お気に入りの古い羽織ですがどうしても裄丈が短く眺めるだけで着る機会がありませんでしたので、思い切って袖なし羽織にいたしました。
袖だけを外して、その袖に真綿を入れステッチ状に止め、背中に縫い付けております。
長羽織でしたので、身丈も少し短く縫い上げてあります。
近江真綿はふとん屋さんで一枚100円で買いました。
1時間もかからず作れて毎日暖かく本当に重宝いたしております。
ホカロンなどは皮膚が弱く低温火傷を起こしてしまいがちですので、この綿入れ羽織は助かります。
ヒートテックや着物用のインナーなども苦手で、どうしても痒くなってしまうのです。
もちろんタイツやストッキングも赤く痒みが出ます。
(それゆえ下着も湯文字を使っております)
下着で暖かくというより、上に重ね着をして暖をとるしかありません。
外出の際も、きちんとした場所でしたら道行やコートと一緒に脱いでしまいますので、着用していることはわかりません。
友人とのお茶なら脱がずにそのまま着ております。
椿も、亀の子羽織も、お金はかかっておりませんが、私には豊かで幸せなことでございます。
質素であっても日々幸せであるのは、着物を中心とした始末の良い和の暮らしであるからだとつくづく思うのでございます。
着物はデットストックの古い銘仙の反物を仕立てたものです。
銘仙は本当に普段着には優秀です。
汚れもあまり目立たず雨にも強く、暖かいです。
毎日着物で過ごすには、体に馴染みの良いこのような普段着が一番良いですね。